苦手なりの受験英語(アルク版)

自動詞・他動詞の知識の効用(2)

では、今回からまずはゆっくり「自動詞とはどういうもので、他動詞とはどういうものか?」を説明していきます。

初っ端から悪いですが、問題を出します。

 皆さんは arrive という単語を知っていますか? この単語は基本的には「着く」という意味です。この単語の過去形は arrived です。過去形ですから意味は「着いた」となります。

 では伺います
 ●arrive を使って「私はその駅に着いた」という英語を作って下さい。
 なお「その駅」は the station と書いてください。

 英語が苦手な人はこの問題を100%間違えます。ここを初めて見るならぜひとりあえず、そこらへんの紙で良いので、「私はその駅に着いた」という意味の英語を文字で書いてみてください。
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 書きましたでしょうか?

 正解の発表をする前に、誤答例を書きましょう。英語の苦手な人は大概こう書くはずです。

  I arrived the station.

 ↑これは不正解です。
 正解は

  I arrived at the station.

です。この問題は atなければ不正解です。

 できなかった人の感想を聞きたいものです。私だったら「え〜〜なんで at がいるの!?」と最大限に驚くと思います。ところが感想は人によって異なるのです。感想を分類しましょう。

Aさん:「え〜〜なんで at がいるの!? いるとして at じゃなくて to ではだめ?」と驚く。
Bさん:「え〜〜なんで at がいるの!?」と驚く。
Cさん:「atがいるんだ。ふ〜ん」と思う。
Dさん:「そうか arrive at なのか。そう覚えなきゃ」と思う。
Eさん:「え〜! at を入れられない英語学習者がいるの? 英語を学習してれば、自然と at が入るだろうに。勉強不足にもほどがある!」と思う。

あなたはどの感想に近いでしょうか?

Aさん、Bさんは英語が苦手なはずです。
Cさんは、英語が苦手か得意か極端です。
Dさんは普通ぐらい。
Eさんは、英語が得意な人です。

Aさんは、Bさんは自動詞他動詞の違いを覚えれば、成績が上がります。
Cさんは後述。
Dさんは、自動詞他動詞の違いを知らなくても大丈夫。けれど知っていれば成績が一桁変わる。
Eさんは、自動詞他動詞の違いを知っているほうが邪魔になる。Eさんにとっては余計な知識。

です。

問題は、Cさんです。
Cさんが英語が苦手な場合、そもそも英語を真剣に学ぶ気がありません。どうでもいいと思っています。無論本人はそうは思っていない場合があります。ですが「英語なんて適当に単語並べりゃ通じる」と思い込んでいます。こういう人は英米人に勝手な英単語を並べて喋り、「通じない英語」を体験します文法を覚えていないくせに、通じない英語を「学校教育(文法)の所為」にします
Cさんは英語が得意な人の場合があります。こういう人は、I arrived at the station. を丸ごと覚え、すぐに使うことができます。こういう人は、自動詞他動詞の違いは余計な知識でしょう。

 Aさん、Bさんには「自動詞・他動詞の知識が英語の成績を上げるために必要」です。
 Cさんは、英語が苦手な場合、必要です。(ですがその必要性を理解しない人が多いです)
 Cさんで、英語が得意な人は、不要です。
 Dさんは、必要ではないですが、知っていたほうが、後々得点になります
 Eさんは、不要です。

この問題の解説は次回以降で詳しく書きます。次回からしばらく自動詞他動詞違いについて書きます。その後、「自動詞他動詞の違い」がどのように役立つかを書く予定です。

 金曜日はいつもの文法放送。この続きは来週の月曜日…といきたいですが、残念! 来週の月曜日はセンター試験の講評です。この続きは再来週の月曜日です。

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